冬の予感

 今年の冬は久しぶりに寒くなりそうな予感がする。
 冬になると死の匂いがして気が滅入った。未来は暗くてボクには選択肢が何一つなく、他の人に比べて何一つ優れているところがボクにはなくて誰もボクを必要とはしていない。何年も前の自分と比べて何一つ変わっていなくてすべてが同じ事の繰り返しにすぎない。
 かつて冬とはボクにとってそのような季節だった。
 今年の冬は久しぶりに寒くなりそうな予感がする。